コーチの「適性」は大事です。
コーチと言っても、色々なコーチがいるので、
どういうコーチが自分に合っているのかを
見極めて、それに向かって努力することが
大事だってことです。
育成のコーチに限って言えば、
一番多いのは、ホームコーチです。
いわゆるスクールに所属するコーチで、
いつもクラブにいて指導をする。
もちろん、ホームコーチであっても、
遠征をサポートするコーチもいれば、
主にレッスンを担当するコーチもいます。
いずれも向き不向きがある、
遠征に出て、海外なんかを回りたいとか、
全国大会でのサポートをしたいという人は、
早い時期にそれにチャレンジすることが
必要となる。
育成のコーチに限ってみても、
色々な立場で子供を支えられる。
そのどれもが必要なコーチなので、
「適性」に応じてポジションが作られると、
やりがいもあるし、成果を素直に喜べます。
大切なことは、
自分がどういうコーチでいたいのか、
そのイメージを強く持つこと。
うまくバランスの取れたコーチング環境が
作られていくことで、
子供達は能力を伸ばす、それは間違いない。
・子供たちの成長段階
コーチの「適性」が大事と言いましたが、
さらに言えば、子どもたちの成長に合わせて、
自分の「適性」を活かすということになる。
子どもたちの成長は、3段階あると考えていて。
「純粋期」、
「自我期」、
「自立期」
の3つに分けられる。
「純粋期」とは、
まだテニスを始めたばかりの子どもたちで、
興味や好奇心も高く、
何でもやってみようという気概がある。
でも、集中力はまったく足りてない。
子供の集中力は、興味や関心が高くても、
ルールの中で行動を規制されると
集中力は続かない、そういうものです。
だから、それをうまく導くことが大事です。
練習内容の工夫はもちろん大事です。
道具の活用も効果的。
何よりも適切な言葉がけや、
安心感を与えることで、
伸び伸びとテニスの対する集中力を高めます。
次の段階が「自我期」です。
ある程度の技術レベルに達し、
試合も多く経験し、より高望みを
するようになります。
当然、試合に負けたときの落胆は大きくなる。
自分自身や周りの期待を
強く感じるようになるので、
それが崩されると悲観するわけです。
でも、そこから「自らの意志」で
テニスをがんばる意識が芽生えてくる。
こういう時に、あれやこれや指示が多いと、
「考える力」を奪うので、
放任とガイドのバランスを
考えていく必要がある。
そして、「自立期」です。
ここまで成長すれば、
言ってしまえば「自分の人生」
自分で考え、行動し、
その責任は自分自身で取る。
もちろん、親やコーチのサポートは必要だが、
何よりも大切なことは「個」の確立。
ここまで来れば成功ということではない。
ここからプロになるとしても、
苦しさは増してくる。
それに耐えうるには「個」の確立、
それ以外にありません。
こういう段階では、
コーチはサポーターに徹します。
必要な情報を与えることはもちろんだが、
マネジメント力が試される。
そのためにネットワークを広く持つなどの
資質を磨いていく必要がある。
コーチと選手の段階的関係性の
変化について見てきたが、
それぞれの段階が明確であるわけではないので、
オーバーラップしながら、
自分の「適性」にあった段階を
重点的にサポートできることで、
コーチとしての充実度は変わります。
キーワードは、互いに依存せず、
主体的自立を目指し、
相互信頼を得ること。
重なり合いながら、
相互に高められる存在になること。
今、子供たちはどこいるのかを洞察し、
成長を促すための努力をし、
自立を奪わないようにすることが大切。
それがうまく噛み合った時、
「コーチはなんて素晴らしい仕事なんだ!」
と思えるはずです。
・常に新たな刺激・気づきを
試合会場に行ってみないと分からない
雰囲気がある、
これを「臨場感」と言うんだと思いますが、
ある実験で、野球の捕球練習において、
ヘッドフォンをすると
途端に捕球できなくなるということが
示されました。
それほど感覚は影響をおよぼす。
また、それだけではなく、
よく、「試合は見に行かない」
というコーチもいますが、
いろいろな事情があるので、
一概にそれが悪いと
決めつけることはありませんが、
そういう人は感性を磨く機会が
少なくなるんじゃないかなと。
人を指導する時、
知識や経験はもちろん大事だが、
その時に「感じること」が何よりも大事、
これまでの指導経験でそう思います。
過去の偉大な発見や発明は、
「ひらめき」によってもたらされた。
人に何か教えるというのは、
まさに、これが引き金になることが
多いように思う。
それを少しで高めるように時間を見つけて
会場に出かけていこうと思います。
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