習慣化が生み出す強さ – 継続力と個性を育む指導法

テニスの上達において、才能や一時的な努力よりも重要なのが「習慣化」の力です。本記事では、強くなるための習慣化の重要性と、それを支える継続力の育て方、そして選手の個性を活かした指導法について詳しく解説します。

目次

習慣化が強さを生み出すメカニズム

習慣化とは何か

自分に必要なトレーニング、練習への取り組む姿勢、日常の行動を「習慣化」することで、強くなるための可能性は高まります。

「習慣化」とは、**「無意識に続けられる行動のこと」**です。無意識に行っている行動なので、端から見ているよりも労力は少なくて済みます。

なぜ習慣化が難しいのか

「三日坊主」という言葉があるように、「習慣化」できるまでには、結構な障壁があります。

なぜ「習慣化」が難しいのかというと、人間は新しい変化を嫌がり、いつも通りを維持しようとするからです。これは人間の本能的な特性と言えるでしょう。

習慣化の逆説的な力

逆に、必要なことを日常にしてしまえば、それは辞めづらくなります。そうなるまでは頑張らないといけませんが、一度身につけてしまえば大きな力となります。

習慣化成功のポイント

段階的なアプローチの重要性

いきなり高い目標や課題を掲げがちですが、それは逆効果です。簡単なことから始めるのが良いでしょう。

継続の難しさと対処法

何とか初期段階を乗り越えたものの、何かのきっかけでペースを崩すことが多くあります。ちょっとしたことで「やる気」を失くしてしまうのです。

「習慣化」は強い刺激がなく、自分にとっては簡単なもので飽きてしまうことがあります。そうなった時は、何かしらの変化を加えることが重要です。

習慣化の価値

人が何かを変えていくためには、それが当たり前であるように「習慣化」していく必要があります。でも、先に述べたように、結構大変なことです。

重要な認識:初めが一番大変です。でも、いったん身に付けてしまえば辞めづらく、それが強さを作っていきます。そう考えて頑張ってほしいです。

自分だけではなく見てもらう!- 継続性を高める工夫

「発信」による継続力向上

「継続性」を高めるには、自分のことを「発信」することが効果的です。

「自分はこうやっています!」と多くの人が知っていると、やめにくくなります。

具体例から学ぶ継続の仕組み

筆者の例では、毎月ブログを書いていますが、毎月それを読む人がいて、更新がなければ、ふとした瞬間に「おや?」って思いますよね。

そういう人が増えてくれば、「おや?」って思われないようにしなきゃな、という縛りが生まれます。それが「継続性」を高めるのです。

継続の心理的メカニズム

誰かに強制されているわけではないので、「やめてもいいじゃん」となってしまうこともあります。しかし、そこを乗り切っていければ、成果が出てくるのです。

テニスでの応用

テニスでも同じことが言えます。最近の子供は頑張っていること、努力していることを隠しがちです。しかし、もっと自分のやっていることを発信していいのです

具体的な発信方法

  • SNSでフォロワーに報告する
  • 練習日記を公開する
  • 仲間と進捗を共有する
  • 指導者に定期報告する

周りの一部には自己満足と言われるかもしれません。それでもいいのです。自分が継続するための手段だからです。

「見られている意識」の効果

人に見られている意識は、自分の行動を見直すには効果的です。地味な練習をコツコツ積み重ねることは、テニスの土台作りで非常に大切であり、それが自信に繋がるからです。

自分の強みを見つける – 個性を活かした成長

得意なものを伸ばすことの重要性

「得意なもの」を伸ばすことは、ジュニアの育成において大事なことです。しかし、なかなか自信を持って「これが得意なショットだ!」と言い切ることは難しいものです。

自信を失う瞬間とその克服

自分で「自信のあるショット」であっても、それを活かせないで負けてしまうことはたくさんあります。そうすると、「得意なショットを打っても勝てないじゃん」となり、だんだんと自信を失ってしまいます。

これを乗り越えるために**「ひたすらにやる」ことが大事**なのです。

成功事例:ボレーが得意だった子供

小学校時代にボレーが得意だと言った子がいました。その時は得意というより「好き」という意味での発言だったかもしれません。

その当時は、背も低いし、ショットも弱いので、それがポイントや勝利に結びつくことは少なかったのです。それでも迷わず前に出て、気がついたら本当に成長して、ネットプレーが上手くなりました。

「自分のウリ」になるまでの道のり

それが「自分のウリ」になります。プレースタイルをパッと見ただけで、「これは誰々だな」と分かるようになる。まるで自分の名刺を渡すようなプレーです。

自分のすべきことに「迷いがない」状態。それは次第に強さに繋がります。「自分はこういうプレーをするんだ!」という強い意志になるのです。

強い意志の重要性

根本にこれがないと、ちょっとしたことで自信を失ったり、迷ったりしてしまいます。

指導者の役割:コーチは、そういう考え方が持てるように導くこと。それがとても大切な仕事です。

習慣化を支える指導者の役割

段階的な目標設定

選手が習慣化を成功させるために、指導者は以下のようなサポートを提供する必要があります:

初期段階

  • 小さな目標から始める
  • 成功体験を積み重ねる
  • 継続の価値を伝える

中期段階

  • 変化を加えて飽きを防ぐ
  • 進歩を可視化する
  • 仲間との共有を促す

成熟段階

  • 自立した継続力を育む
  • より高いレベルへの挑戦を支援
  • 個性の発見と伸長をサポート

個性発見のための環境作り

多様な練習機会の提供

  • 様々なショットやプレースタイルを試す機会
  • 失敗を恐れない雰囲気作り
  • 長期的な視点での評価

強みの言語化支援

  • 選手が自分の特徴に気づけるような質問
  • 具体的な強みの指摘と評価
  • 継続への動機づけ

継続を支える環境整備

発信の場の提供

  • 練習成果を共有できる機会
  • 仲間同士の励まし合い
  • 保護者や指導者からの適切なフィードバック

習慣化をサポートするシステム

  • 定期的なチェックポイント
  • 個別の課題設定
  • 達成感を味わえる仕組み

実践的な習慣化戦略

小さな習慣から始める

具体例

  • 毎日5分の素振り
  • 練習前の決まったウォームアップ
  • 試合後の簡単な振り返り記録

継続のための工夫

変化を加える方法

  • 練習場所を変える
  • 新しい練習メニューの導入
  • 目標の微調整

モチベーション維持

  • 小さな達成を祝う
  • 進歩の記録を残す
  • 仲間との共有

強みの発見と育成

探索期

  • 様々なプレースタイルを試す
  • 得意・不得意を記録する
  • 楽しさを感じる要素を見つける

特化期

  • 見つけた強みに集中する
  • 関連する技術を体系的に学ぶ
  • 実戦での活用機会を増やす

確立期

  • 自分だけの武器として磨く
  • 他の技術との組み合わせを学ぶ
  • 指導者として他者に教える

まとめ

習慣化は強さを生み出す最も確実な方法の一つです。人間の本能的な変化への抵抗を理解し、段階的なアプローチで取り組むことが成功の鍵となります。

継続性を高めるためには、「発信」による外部からの動機づけが効果的です。現代では様々な方法で自分の取り組みを共有できるため、これらのツールを積極的に活用すべきでしょう。

そして、真の強さは自分だけの「ウリ」を持つことから生まれます。指導者は選手が自分の強みを発見し、それを育てていけるよう、長期的な視点でサポートすることが重要です。

習慣化された努力と明確な個性。この二つが組み合わさった時、選手は本当の意味で強くなることができるのです。初めは大変かもしれませんが、いったん身に付けてしまえば、それが確実に強さを作っていくことを信じて、継続していきましょう。

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